親が施設に入って空き家になった実家はどうする?3つの選択肢とポイント

query_builder 2024/08/22
コラム
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「親が施設に入って空き家になった実家の管理方法が知りたい」

「親が売りたくないといってる場合はどうしたらいい?」


親が施設に入ることになり、実家の処分方法にお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

誰も住む予定がなければ売却するのが一般的ですが、親が売却を拒否するケースも少なくありません。


本記事では、親が施設に入って空き家になった場合どのような選択肢があるのか、それぞれのメリット・デメリットについてご説明します。

空き家の対応にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。



親が施設に入った後の実家を放置するリスク


親が施設に入った後の実家をそのまま放置すると、以下のようなさまざまなデメリットがあります。

・維持費がかかる

・建物の価値が下がる

・犯罪に巻き込まれる恐れがある

具体的にどのようなリスクがあるのか解説します。


維持費がかかる

実家を処分しない場合は、税金に加えて家のメンテナンスをする費用がかかります。

持ち家の場合、住んでいなくても家を所有しているだけで、固定資産税や都市計画税を支払わなければなりません。

空き家対策特別措置法により、空き家が適切に管理されていない場合、「特定空家」に指定されて、さらに勧告を受けると支払わなければならない固定資産税が6倍になります。

どうしても家を残しておく必要がある場合は、外壁が傷んでいたら修繕する、庭の草木が伸びていたら剪定するなど、適切に維持管理をし続けることが必要です。


建物の価値が下がる

今後ますます人口減少が進むと、郊外の戸建住宅よりも都心部の住宅に人が集中することになります。

郊外の住宅はニーズがなくなるのにともない、評価額が下がるでしょう。

また、人が住んでいない家屋は傷むのが早いため、定期的にメンテナンスをおこなう必要があります。

きちんとメンテナンスがされていないと、管理が不十分とみなされて「管理不全空き家」と認定される恐れがあります。

「管理不全空き家」とは、管理が不十分な状態で放置されている空き家のことです。

管理が不十分なまま放置すると、「管理不全空き家」は「特定空き家」に指定される恐れがあります。


犯罪に巻き込まれる恐れがある

空き家は、不審者の侵入や不法投棄、放火などの犯罪に巻き込まれるリスクがあります。

庭の草木が伸び放題になっていたり、郵便物が溢れたりしていると、誰も住んでいないのが明らかです。

誰も住んでいない家は人の目がなく、火が付きやすい枯草やゴミなどが散乱していることが多いため放火犯に狙われやすくなります。

放火以外にも、吸い殻のポイ捨てや、ガス漏れ、漏電などの原因で火災が発生するリスクも高くなります。

そのため、空き家になっても火災保険をかけ続ける方が多いです。



空き家になった実家をどうする?


親が施設に入るなどの理由で実家から出た後に、子どもが住まなければ実家は空き家となります。

空き家になった実家をどうするのか、考えられる選択肢をみてみましょう。

・空き家のまま管理する

・売却する

・賃貸として貸し出す


空き家のまま管理する

親が実家を離れた後、空き家のまま管理する方法が考えられます。

空き家のままにしておくメリットは、施設に入ったはいいけれど合わなかった場合などに、戻ってくる場所があるという点です。

親が施設に入ることを嫌がっていた場合、「嫌だったら戻ってくればいいから」といえる安心感があります。


ただし、適切にメンテナンスする必要があるため、維持管理する手間がかかる点がデメリットです。

遠隔地に住んでいるため子どもたちでは管理できないという場合は、専門業者に委託するサービスも検討しましょう。

空き家のまま管理する場合、家の所有者である親が亡くなった際に、再度処分方法を考えなければなりません。

親が亡くなった後はいつまで所有し続けるのか、兄弟間ですりあわせしておくことも必要です。


売却する

空き家の維持管理が不要となるため、売却するケースも多いでしょう。

子どもが家から離れた場所に住んでいる場合、実家を維持管理し続けるのは容易ではありません。

また、一度施設に入居してから自宅に戻ってくるケースはそう多くないため、その時に備えてメンテナンスをし続けるのは無駄と考える方も多いでしょう。

施設入所前に売却してしまえば、施設に入所するための費用や介護費用を確保できるというメリットがあります。


一方で、家を売却するには以下のような手間がかかるというデメリットがあります。

・家の中の家具などを処分する

・壊れているところをリフォームする

・仲介業者を手配する


賃貸として貸し出す

売却せずに賃貸として貸し出す方法も考えられます。

家を残しつつ賃料も得られるため、すぐに売却するのが難しい場合の選択肢として有効です。

ただし、貸し出す前にリフォームが必要である点と、貸出期間中の物件の修繕費用は貸主が負担しなければならない点に注意が必要です。

また、いったん賃貸契約を結んでしまうと所有者からの契約解除が難しくなります。

貸出期間を区切りたい場合は、賃貸契約の期間を限定できる、定期借家契約を選択することを検討しましょう。



実家をどうするか考える際のポイント


実家をどうするか考える際のポイントを3つご紹介します。

・親や家族と十分に話し合う

・家の状態を確認して維持費用を予測する

・家の市場価値を確認する


親や家族と十分に話し合う

実家は親や家族にとって大切な思い出がある場所なので、処分を考える前に十分に話し合う必要があります。

先祖代々の土地を存命のうちに売却したくないという、親御さんもいらっしゃるでしょう。

施設に移っても家を残したいという強い意向がある場合、維持管理が必要なことや税金などの負担がかかることを伝えて、今後は誰が負担するのか決めなければなりません。

また、家を売却する場合は、現金化した後にどのような使途に使うのか、子どもが複数いる場合はどのように分配するのかも相談しておくことが必要です。

親が認知症になっている場合は、子どもたちで相談して決めなければなりません。


家の状態を確認して維持費用を予測する

売却せずに所有し続ける場合は、家の状態を確認して維持費用を予測しておく必要があります。

親が施設に入る場合、その後の維持費用を親自身が負担し続けていくケースは少ないでしょう。

ほとんどの場合は相続人となる子どもが負担するか、最低限の費用でできる範囲のメンテナンスで済ませる場合が多いです。

いつまで誰が費用を払い続けるのか、また親が亡くなった後はいつどのように処分するのか、現実的に考えて決めておく必要があります。


家の市場価値を確認する

費用の計算とともに、家の市場価値も確認しておくといいでしょう。

今すぐに売却の予定がないとしても、資産として評価額を確認しておくことは重要です。

土地と建物は売り時を逃すと、評価額が大きく下がることがあるため、いざ売却しようと思った時に、期待していた金額で売却できない恐れもあります。

「いくら以上なら売却する」という判断基準になるため、無料査定サイトなどで査定しておくのがおすすめです。



まずは実家の荷物を整理するのがおすすめ


いざ売却しようと思った時にすぐに動けるように、まずは実家の荷物を整理するのがおすすめです。

親が施設に入居する前から断捨離をすすめて荷物を減らしておくと、いざ家を離れて売却したり賃貸に出したりする場合もスムーズです。

実家は物が多いため自力で片付けるのが難しい方は、片付け業者に依頼する方法もあります。


<業者に依頼するメリット>

・物の仕分けから処分まで一括で依頼できる

・最短1日で片付けが完了する

・自力で運べない家具などもまとめて処分できる

・まだ使える物は買取をしてくれる場合がある など


親がまだ元気なうちから整理整頓を始めておきましょう。



まとめ

親が施設に入居するタイミングで、実家をどうするのか考え始める方も多いでしょう。

空き家になる実家の対処方法はいくつかありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

親や家族ときちんと話し合う時間をとって、みんなが納得できる形で進めましょう。


どのような選択になったとしてもすぐに行動に移せるように、早めに実家の荷物を整理整頓しておくのがおすすめです。

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この記事の執筆者
中島 健太
  • 中島 健太

    株式会社ウルタロウ代表取締役


    埼玉県を中心に関東全域の幅広いエリアで、不用品回収・遺品整理・ゴミ屋敷清掃を行っている。

    終活・相続関連の社団法人の理事もしており、遺品整理・生前整理に関する様々なセミナーで登壇実績あり。

    屋号のオカタシ!は東北の方言で「片付ける」のことを指し、ただ捨てるということではなく、一つ一つ思いやりを込めて整理するということを大切にしている。

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