ゴミ屋敷に住む高齢者の支援方法は?身近なひとができること

query_builder 2023/02/27
コラム
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ゴミ屋敷には、年齢に関係なく、様々な背景や状況を抱えた人々が住んでいます。

しかし、その中でも高齢者の確率が高いというのも事実です。その理由には、身体的な制約や精神的な問題、社会での孤立、家族との離別、経済的な問題などが挙げられます。

高齢者が問題を抱えたまま、ゴミ屋敷に住み続けることはとても危険です。少しでも早く支援を行い、状況を改善する必要があります。

本記事では、ゴミ屋敷に住む高齢者の支援について、詳しく解説します。



ゴミ屋敷に住む高齢者に支援が必要な理由

ゴミ屋敷に住む高齢者には、多くの危険が伴います。

それらの危険を回避するため、支援が必要不可欠となるのです。

では、具体的にどのような危険があるかをみていきます。


身体的な危険

ゴミ屋敷の中には、重い物や鋭利な物が散乱していたり、背丈より高い物が積み上がっていたりすることがあります。その中で、高齢者が転んだり転倒したりすると、大怪我をする可能性があります。


精神的な危険

ゴミ屋敷は不衛生なため、臭いや害虫が発生するケースが多くあります。これは、高齢者の健康状態に悪影響を与えるだけでなく、うつ病や孤独感などの精神的な問題を引き起こす可能性があります。


社会的な危険

ゴミ屋敷に住んでいる高齢者は、社会的に孤立していることが多い傾向にあります。ゴミ屋敷は近隣への迷惑行為となり、住民からのクレームやトラブルを引き起こしていることがあるからです。また、火災の発生源となる可能性もあり、地域社会への損害は計り知れません。



ゴミ屋敷の支援は自治体がやってくれる?

一般的に、ゴミ屋敷の住人への支援は自治体や地方行政によって行われます。

現状では、ゴミ屋敷を規制する法律が整備されていないため、国がゴミ屋敷を支援したり取り締まったりすることができないからです。そのため、支援の内容や範囲は、自治体によって制定された条例により異なります。



自治体による主な支援方法

自治体により異なる支援の内容ですが、その中でも代表的なものを紹介します。


介護的な支援

高齢者は、身体的な理由により自分でゴミの処分ができないケースがあります。日々の生活の中で出るゴミが蓄積し、ゴミ屋敷になってしまうのです。そのような状況を防ぐため、ケアマネジャーやヘルパーを派遣したり、ゴミの排出支援を行ったりしています。


精神的な支援

ゴミ屋敷に住むことで孤独を感じたりうつ病を患う場合、認知症が原因でゴミ屋敷になってしまう場合、いずれにしても精神的なケアが必要となります。住人が抱える問題を改善するため、相談員やカウンセラーを派遣して、心理的なケアを行います。


経済的な支援

経済的な困窮が原因でゴミ屋敷を片付けられない場合は、専門業者の手配など、経済的な支援を行います。

ただ、経済的な支援には費用捻出という高いハードルがあり、実施できている自治体は多くありません。



支援を目的とするゴミ屋敷条例の例

ごみ屋敷状態を解消するための支援をしている、横浜市の例をご紹介します。


市・区役所・関係機関の取り組み

(1)家庭訪問

(2)生活相談

(3)福祉制度の紹介

(4)排出の支援


地域住民の取り組み

(1)見守り

(2)声かけ


市・区役所と関係機関に加え、地域住民も協力して、ゴミ屋敷の住人に寄り添った支援を行っています。

さらに、ごみを片付けるだけではなく、根本的な問題の解決を目指しているところも特徴的です。


参考:横浜市 不良な生活環境の解消・発生防止



身近な人ができる支援方法は?

ゴミ屋敷の住人が抱える問題は、非常に複雑で、解決には時間が掛かります。

しかし、身近な人が支援することで、少しづつ改善され、解決へ近づくことも確かです。その支援の方法を具体的に紹介します。


ゴミの処分

まずは、少しでもゴミを減らす手助けをします。

ゴミ屋敷の住人が所有している不用品やゴミを捨てることにより、快適で清潔な住居を取り戻せるよう支援します。


定期的に連絡をとる

社会的な孤立が原因の場合、定期的に連絡をとることにより、改善が見られることがあります。

電話やメール、手紙などで繋がりを持ち、精神的な支えとなることが支援に繋がります。


支援団体や専門家に相談する

専門的な支援が必要な場合は、支援団体や専門家に相談します。

相談先には、自治体を始め、保健所やゴミ処理施設、また、民間のゴミ収集業者などがあります。相談先はひとつに絞らず、疑問の内容に合わせて選ぶことが大切です。



まとめ

ゴミ屋敷に住む高齢者は、身体的・精神的・社会的な危険が伴うため、早急な支援が必要です。

自治体が支援を行うのが一般的である一方、支援の手が届いていないのも現状です。また、そのような制度が整備されていない自治体もあります。

身近な高齢者がゴミ屋敷に住んでいると感じた場合は、適切な支援や介護を受けられるよう、サポートすることが必要です。








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この記事の執筆者
中島 健太
  • 中島 健太

    株式会社ウルタロウ代表取締役


    埼玉県を中心に関東全域の幅広いエリアで、不用品回収・遺品整理・ゴミ屋敷清掃を行っている。

    終活・相続関連の社団法人の理事もしており、遺品整理・生前整理に関する様々なセミナーで登壇実績あり。

    屋号のオカタシ!は東北の方言で「片付ける」のことを指し、ただ捨てるということではなく、一つ一つ思いやりを込めて整理するということを大切にしている。

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