ゴミ屋敷を放置するリスク!最悪の場合、事件や事故につながる可能性も

query_builder 2024/07/02
コラム
ゴミ屋敷放置

「近所にゴミ屋敷があるけど、放置してて大丈夫かな?」

「しばらく行かないうちに実家がゴミ屋敷になっていた!なんとかしないとまずい?」


テレビでゴミ屋敷の問題が報道されることがありますが、近所にゴミ屋敷があるという方も案外多いようです。

また、久しぶりに訪れた実家がゴミ屋敷化していたというケースも少なくありません。


本記事では、ゴミ屋敷を放置するとどのようなリスクがあるのか、片付ける方法などについてご紹介します。

ゴミ屋敷の親御さんを説得する方法も解説するので、身近な方のゴミ屋敷問題についてお困りの方はぜひ参考にしてください。



ゴミ屋敷を放置するリスク

ゴミ屋敷を放置すると、以下のようなリスクが上がります。

・火災が起きやすい

・怪我をする危険性

・健康被害の発生

・事件が起きやすい

・ご近所トラブルにつながる

・遺品整理や相続でもめる

・行政代執行される可能性がある


火災が起きやすい

大量のゴミが散乱するゴミ屋敷では、一度火花が発生すると引火しやすく、あっという間に周辺のゴミに燃え広がります。

また、コンセント周りにホコリが溜まっていると漏電の原因になるため、コンセント周りに物がたくさん積みあげられているゴミ屋敷は、火災が発生するリスクが極めて高いです。

山積みされたゴミが玄関までの通路を塞いでいる場合、避難の妨げとなります。

逃げ遅れてしまうと、最悪の場合は命まで脅かす可能性があります。


怪我をする危険性

ゴミ屋敷の中で生活していると、怪我をする危険性があります。

ゴミ屋敷では、床一面にゴミが敷き詰められている、天井近くまでゴミ袋が山積みされているという光景が珍しくありません。

床に散らばったゴミで滑って転倒したり、積み上げられたゴミ袋が倒れて下敷きになり怪我をしたりする恐れがあります。

また、床に散らばったゴミの中に尖ったゴミが混ざっていて、それを踏んでしまうことも。

高齢者であれば、ちょっとした段差でつまづくこともあるため、若い方に比べて怪我のリスクがさらに高くなるでしょう。


健康被害の発生

室内に生ゴミを長期間放置すると、健康被害が発生するリスクが高くなります。

腐敗した生ゴミから有害物質やカビが発生し、空気中に放出されることで呼吸器疾患やアレルギー反応を引き起こすことがあります。

また、ダニ・ノミ・ゴキブリなどの害虫やネズミなどの害獣が発生することで、これらが媒介する病気に感染する恐れもあるでしょう。

免疫力や体力が低下している高齢者や病人が感染すると、健康な人よりも重症となる危険性が高くなります。


事件が起きやすい

ゴミ屋敷では事件が起きることも多く、その中で最も多いのが放火です。

家から屋外にあふれ出しているゴミに火を付けられて全焼したケース、ゴミ屋敷の住人自ら火をつけて周辺の住宅を巻き込む火災となったケースなどが実際にありました。

ゴミ屋敷に住んでいる方は、ストレスが溜まっていたり、精神的に病んでしまっていることも多いため、その原因を放置していると事件につながる恐れもあります。

いずれにしても、ゴミ屋敷に住み続けることは心身ともに悪影響が大きいため、可能な限り早急に現状を解消するのが望ましいと言えます。


ご近所トラブルにつながる

ゴミ屋敷のまま放置することで、ご近所トラブルにつながるケースもあります。

悪臭や害虫の発生、景観の悪化などの環境悪化は近所の住民が実害を受けることになります。

隣近所がゴミ屋敷であれば、「不快に感じる」「早く片付けてほしい」と思う方が大半です。

もし実家がそのような状況になれば、たとえ離れて暮らしている家族だとしても無関係とは言い切れません。

場合によっては法的な争いになるケースも考えられるため、早急に解決策を考えましょう。


遺品整理や相続でもめる

実家のゴミ屋敷を片付けないまま両親が亡くなってしまった場合、ゴミの処理や遺品整理などを残された家族がしなければなりません。

銀行印や通帳などの重要書類の場所が分からず、各種手続きが進められないということもあります。

ゴミ屋敷は誰が相続してゴミを片付けるのか、業者に頼む場合その費用を誰が支払うのか、親族間でもめるケースも多いでしょう。

また、一般的にゴミ屋敷は建物の資産価値が下がってしまうといわれているため、売却しようと思っても期待通りの査定がつかない場合も考えられます。


行政代執行される可能性がある

ゴミ屋敷を放置していると、行政代執行される可能性があります。

行政代執行とは、自治体が所有者の代わりに適正な管理に向けた取り組みを行うことです。

ゴミ屋敷の住人に、山積みしている家財やゴミを撤去するよう再三指導したにも関わらず何もしないでいると、行政が強制的にゴミの撤去を行う場合があります。

行政代執行はゴミ屋敷の所有者の同意を取る必要がないため、住人側に断る権利はありません。

行政が委託した業者によって、問答無用で廃棄されてしまいます。

また、業者に委託した費用はゴミ屋敷の所有者に請求されるため、期日までに納付しない場合は、財産の差し押さえや処分によって強制徴収されます。



ゴミ屋敷の片付けを説得するコツ

親の家や親族の家がゴミ屋敷となってしまった場合、片付けを説得する必要があります。

本人が片付けに了承するよう誘導するコツは、以下の方法が考えられます。

・ゴミ屋敷になった原因を把握する

・責めるようなこと、否定するようなことは言わない

・さまざまなリスクがあることを伝える

・一緒に片付けることを提案する


ゴミ屋敷になった原因を把握する

ゴミ屋敷の片付けを説得するためには、まずゴミ屋敷となってしまった原因を把握することが重要です。

原因を正しく把握していないと効果的なアプローチができませんし、また同じようにゴミ屋敷化してしまう可能性が高いためです。

単純に片付けが苦手なのか、健康状態や体力面で片付けるのが難しいのか、認知症や精神疾患など病気が要因となっていないかなど、片付けられない原因を確認しましょう。

その原因にあわせて、片付けをサポートしたり医療機関を受診させたり、適切な支援を行う必要があります。


責めるようなこと・否定するようなことは言わない

片付けを説得する場合、片付けられないことを責めたり、人格を否定したりするようなことは言わないようにしましょう。

片付けられる人からしてみたら、信じられないと思うこともあるかもしれませんが、本人なりの言い分があるはずです。

「どうして片付けられないの」などと、頭ごなしに責められたり否定されたりすると、もうあなたの話を聞いてくれなくなるかもしれません。

責めているわけではなく、力になりたいということを伝えるようにしてください。


さまざまなリスクがあることを伝える

ゴミ屋敷を放置すると、怪我や病気のリスクなどがあるため心配だという気持ちを伝えてください。

実際に体調が悪くなっている場合も考えられるため、その場合は病院に同行するなど、具体的なサポートをすることも伝えてみましょう。

また、火災が起きた場合にはご近所にも延焼する可能性が高く、自分だけの問題ではないことを認識してもらうことも重要です。

ゴミ屋敷に住み続けることで、いいことは1つもないということも強調してください。


一緒に片付けることを提案する

決して1人ではないということを伝えることも大切です。

具体的に片付けを進める場合は、一緒に手伝うという意思を伝えて安心してもらいましょう。

自力で片付けができないレベルであれば、専門業者を手配することも提案してください。

費用の面で問題がある場合は、見積もりを取ったり、一緒に費用の準備方法を確認したりして寄り添うようにしましょう。

兄弟姉妹がいる場合は、あとからトラブルにならないよう必ずそちらとも連携して進めるようにしてください。



ゴミ屋敷を片付ける方法

ゴミ屋敷を片付ける方法は2つあります。

・自力で片付ける

・専門業者に依頼する


自力で片付ける

自力で片付けられるのは、家の状態が以下のレベル程度までです。

・3LDK

・足の踏み場がある

・トイレ、キッチン、洗面所などの水回りが機能している


家の間取りが上記よりも広い場合や、ゴミや不用品が多すぎる場合は自力で片付けるのは難しいでしょう。

ゴミ屋敷の清掃を自力で行うには数日~数週間かかるため、水回りが使えない場合も作業が難しくなります。

また、害虫や害獣が発生している場合やカビなどの汚れがひどい場合は、専門的な薬剤が必要になるため、専門業者に依頼することをおすすめします。


専門業者に依頼する

一番早くて確実なのが専門業者に依頼する方法です。

費用はかさみますが、だいたい1日~2日程度でゴミや不用品の搬出作業と清掃が完了します。


少しでもコストを抑えたい場合は、不用品の買取も行っている業者に依頼するのがおすすめです。

片付けながら買取できるものの査定を行ってくれるため、別途買取業者に依頼するなどの手間がかかりません。

物を捨てることに抵抗がある方も、買取ってもらえる物があれば少し気が晴れるのではないでしょうか。


ゴミ屋敷を他人に見られるのが恥ずかしいと感じるかもしれませんが、慣れない人がやるよりもはるかに早く綺麗に片付けられるため、重度のゴミ屋敷は無理せず業者に依頼しましょう。



まとめ

ゴミ屋敷を放置するリスクや、片付ける方法などについて解説しました。

ゴミ屋敷を放置することは深刻なリスクに繋がるため、実家がゴミ屋敷となっている場合は早急に対応することが必要です。


軽度のゴミ屋敷であれば親や兄弟と協力して自力で片付けることも可能ですが、専門業者に依頼する方が、短期間で綺麗に片付けられるためメリットが大きいと言えます。


親が片付けに消極的な場合は、片付けを説得する方法を参考にしていただき、1日でも早く健康的で快適な生活が取り戻せるようサポートしましょう。



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この記事の執筆者
中島 健太
  • 中島 健太

    株式会社ウルタロウ代表取締役


    埼玉県を中心に関東全域の幅広いエリアで、不用品回収・遺品整理・ゴミ屋敷清掃を行っている。

    終活・相続関連の社団法人の理事もしており、遺品整理・生前整理に関する様々なセミナーで登壇実績あり。

    屋号のオカタシ!は東北の方言で「片付ける」のことを指し、ただ捨てるということではなく、一つ一つ思いやりを込めて整理するということを大切にしている。

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